警備員の教育

講師に聞く「現行犯逮捕」

 教育を重視するワールド警備保障には多彩な講師陣がそろっています。今回、F講師のお話をご紹介します。

F講師インタビュー

聞き手:
今回は、警備員にとって最も法律的知識が要求される現行犯逮捕について、お話願います。
F講師:
逮捕とは人の身体を直接に束縛して自由を拘束することをいいます。逮捕には3種類あります。通常逮捕、緊急逮捕、現行犯逮捕の3つです。通常逮捕はあらかじめ令状を準備しておこなうものです。緊急逮捕は、一定の犯罪をおこなったと疑うに足りる充分な理由のある者を、逮捕後に令状を請求することを条件におこなうものです。
聞き手:
事前、事後の別はありますが、この二つはどちらも逮捕令状を必要とするものですね。
F講師:
そうです。これは憲法第33条の要求です。33条は、何人も令状によらなければ逮捕されないとしています。
聞き手:
ただし、例外がありますね。
F講師:
それが現行犯逮捕です。憲法33条は、「現行犯として逮捕される場合を除いては」という言葉をつけ加えています。現行犯逮捕は令状なしにおこなう逮捕です。
聞き手:
しかも、わたしたち一般人も逮捕できるのですね。
F講師:
そのとおり。通常逮捕と緊急逮捕は検察官や司法警察職員だけがおこなえます。しかし、現行犯逮捕は民間人もおこなえるのです。
聞き手:
でも、例外である現行犯逮捕には厳しい条件がついていますね。
F講師:
誰もが好き勝手に逮捕できるというわけではありません。そもそも、逮捕は自由を拘束する行為です。私たちにとって自由はとても重要なものです。それだからこそ、国の基本法である憲法がいろいろな自由を保障しているわけです。
聞き手:
その大切な自由に手をかけるわけですから、慎重でなければならないのですね。
F講師:
そのために、通常逮捕と緊急逮捕は、法によって強くコントロールされている検察官・司法警察職員のみに認められ、さらに法の番人である裁判所が出す令状が必要とされるわけです。
聞き手:
民間人もおこなえる現行犯逮捕も当然慎重であることが要求されるのですね。
F講師:
そうです。現行犯逮は犯罪、犯人が明白な場合に限定的に認められるものです。刑事訴訟法第212条は「現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者」を現行犯人としています。このように目の前で犯罪がおこなわれているのであれば、犯人でない人を間違って逮捕することはまずあり得ません。
聞き手:
目の前でおこなわれている犯罪、これが現行犯逮捕の基本ですね。ただ、もう少し、刑事訴訟法は範囲を広げていますね。
F講師:
準現行犯というものです。4つあります。
【1】犯人として追いかけられているとき。
【2】盗んだ物や凶器などを持っているとき。
【3】服や体にはっきりとした犯罪のあとがあるとき。
【4】呼びとがめられて逃げようとするとき。
このような場合も現行犯と同じように逮捕できます。
聞き手:
逮捕するときに注意することはありますか。
F講師:
私たちが現行犯逮捕をしたら警察官等にすぐに引き渡さなければなりません。その時まで犯人の自由を拘束し逃げ出さないようにすればいいのです。観念しておとなしくなった犯人に暴力を加えたりしてはいけません。
聞き手:
そんなことをすると今度は私たちが暴行の犯人になってしまいますね。
F講師:
それに、私たちは取調べをしたり留置したりすることもできません。
聞き手:
下手をすると監禁罪で逮捕されかねないですよね。
F講師:
もう一度、くりかえしますが、逮捕は自由に対する拘束です。慎重でなければなりません。警察官が通常逮捕をするときでも慎重さが要求されます。ましてや、民間人による現行犯逮捕はよりいっそう慎重であるべきです。
聞き手:
ここでもう少し具体的なことをお伺いします。当社創業年、1974年の日本を調べてみたのですが、ストリーキングが日本で初登場ということがありました。ストリーキングという言葉は死語かもしれませんが、全裸で往来を走り回る人は今でも出てくるかと思いますが、これも犯罪なのでしょうか。
F講師:
もちろん犯罪です。刑法174条の公然わいせつ罪になります。
聞き手:
現行犯逮捕はできますか。
F講師:
できます。でも、ここで注意して欲しいのは、現行犯逮捕はどんな犯罪に対してもできるわけではないということです。刑事訴訟法第217条は、軽微な犯罪、すなわち「30万円以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪」の現行犯については原則として現行犯逮捕はできないとしています。
聞き手:
そのような軽微な犯罪に対してはまったく現行犯逮捕ができないのですね。
F講師:
いいえ、そうではありません。例外があります。そのような軽微な犯罪でも、次の二つの場合には現行犯逮捕ができます。一つは犯人の住居あるいは氏名が明らかでない場合。もう一つは、犯人が逃亡するおそれがある場合です。
聞き手:
公然わいせつ罪は軽微な犯罪ですか。
F講師:
「6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に処せられます。6か月以下の懲役が科せられますので軽微な犯罪とはいえません。
聞き手:
それでは往来を全裸で走り回っている人を見たとき、私たちは逮捕できるのですね。
F講師:
できます。ニヤニヤ、笑って見ているわけにはいきません。しかし、即、逮捕というのではなく、まず警察に通報することが第一だと思います。ただし、子供たちの前でそのようなことをしているような場合には、警察の到着を待たずに毛布などで体を覆うような行動をとる必要があるのかもしれません。
聞き手:
現行犯逮捕は状況判断が大切なのですね。
F講師:
そのとおりです。なによりも慎重にしなければなりません。
聞き手:
ありがとうございました。
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